俳句-白鴎句会

白鴎句会

金沢八景ハイム内には 多くの同好会がありますが 俳句の会もその一つ。

毎月の白鴎会の会報に掲載されております作品を紹介しております。
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◇平成29年7月句会


七月や思ひもかけぬ長入院
回診の度に治療や梅雨籠
点滴の針さしかふる皐月かな
英樹

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靜けさや白百合香る平潟湾
故郷の山にも似たる雲の峰
早やばやと招かざる客夏颱風
一雄

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朝の空羅掛けて白き月
冷奴手に乗せ切れば白鳥の湖は批恋し
水引草慶事の話未だなく
さと

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ごきぶりの驚くを見て驚きぬ
書に食に飢ゑしころあり蚊遣香
焼酎と絵画を愛し地獄耳
潤一

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薔薇ひらく悲しきことは鯨の中
六月の鶴が葉擦れささやけり
クールだれ老女の閾歩夏の空
延子

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涼風はハイム自慢の馳走なり
人力で山車動かすや宵の宮
懐かしき友が来たりて水羊菫
元子

 

 

◇平成29年5月句会


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五月雨や卒寿を迎へ事多し
回診のざわめき去りて初夏しじま
この辺り鯉幟見ずとナース言ふ
英樹
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鳥帰る潟は淋しくなりにけり
初夏の風路行く人の白帽子
対岸の新緑日々に色増して
一雄
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紅買ふはまだまだ強気牡丹咲く
木下闇山路灯すも眞昼かな
端居して雀と会話暮泥む
さと
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絵ごころの少し兆して夕牡丹
卯波高し博文邸に帰帆の間
時の日や子規の等身大パネル
潤一
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日没のさざ波黄金に初夏のとき
髪洗ふ旅の香りも流したり
夫の居た病院の坂燕行く
延子
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更衣気温上下しまよひまよひ
朝一番ひかりきらめき夏来る
五月晴赤子をいだく若き父
元子
_

 

 

◇平成29年4月句会

 

 

 


きびきびとナースの動き外は春
わが生命ここに果つるか春嵐
和やかな語らひの輪よサロン春
英樹
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パン屑をもてあましてる雀の子
ウオーキング肩に花びら二三枚
初夏の風昨日やさしく今曰荒く
一雄
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鍛帳の下りて喝采藤の花
掃除ロポに付いて歩いて四月馬鹿
奥多摩や車ゆるゆる花隧道
さと
_
初花のひぃふうみいよ五輪かな
花疲れ築地にいまも新喜楽
いまもって夢に働き万愚節
潤一
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ふと見れば舗道のはづれすみれ草
春泥に一直線の猫の跡
土筆にも声かけらるる散歩道
延子
_
菜種梅雨止まったままの腕時計
吉野山さくらさくらやまた桜
静けさや弥勒菩薩の春惜しむ
元子

 

 

◇平成29年3月句会

 

 

 

 


春鴨の塒はいづこ曰の暮
バス停にやすらぎ添へし山桜
菜の花や若き父押す乳母車
英樹

山桜見上げて今日も歩みけり
検診曰絶食の身に春寒し
鷹取の山なみ還し菜種梅雨
一雄

春光を乱し厨の水跳ぬる
補聴器を外しやはらか春の雪
草萌ゆる試歩とジョギング行き交へり
さと

本堂をとほくをろがみ黄水仙
母ませぱ百と一歳しじみ汁
志望枝ひそかに変へて合格す
潤一

カーテンに影のよぎりて春鴎
切長のまなこ床しき夫婦雛
春の湾潮満ちくれば水脈長し
延子

菜の花や夕暮時はさみしかり
鈴蘭や久方に会ふ人のやう
立春の名のみなりけり襟たてて
元子

 

 

◇平成29年2月句会

 


借景に白富士残し春立ちぬ
春立つや落暉の茜淡くなり
碧空に鳶一声の余寒かな
英樹

凍て空に取り残されし朝の月
路地蔵赤き前垂れ春近
若き日の傷跡うづく寒戻
一雄

鳰の群数へても数へてもままならず
舟舫ふ桟橋に牡蠣育ちをり
雪催ひ救急車音闇走
さと

薄氷の汽水を上る朝かな
人形焼はや売り切れて日脚伸
春疾風終日殻にとぢこもる
潤一

冬鴨の湾に水脈ひく温さかな
さざ波は春の気配を小刻みに
立春や鳶の円舞に湾ひかる
延子

早朝の北空の色寒波来
孫達の鬼やらふ声電話ロ
湯豆腐の一番おいしけふの夜
元子

 

◇平成29年1月句会

h201-すみれ

物干せば寒九の風が翻し
元朝や白富士遠く拝しけり
長き列曳きて瀬戸宮初詣
英樹

しばれるの声懐かしき電話口
年ごとに少なくなりぬ年賀状
無く事もなくて過ぎ行-師走かな
一雄

初御空競ひて探る鯛の鯛
小夜時雨テレビのボリューム大きくす
二人酒ゆるやかに酔ひ初電話
さと

左義長や心の鬼も焼ぶるべし
元日や孫にゲームを教へられ
帰りくる娘を待つ布団干しにけり
潤一

さりさりと大根刻む音澄めり
ベランダに幸もて来るか寒雀
新春や湾にゆったり鴨の二羽
延子

初夢の覚えのなきや朝来たる
乗初めや鎌倉詣母娘
八幡宮御判行事の破魔矢受く
元子

 

 

◇12月句会

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寒風や遠目に凜と白き富士
黒鴨の群波まかせ浮き沈み
天と地を分ちて寒き入茜
英樹
手の届く枝に触りて紅葉狩
刈り跡の人の労苦や千枚田
参道は苔と紅葉の古き寺
一雄
凍て蝶の落葉衣に憩ひけり
存分に黄葉抱きて宙に撒く
秋残照色変はり行く黒き富士
さと
日記買ふニコライ堂の鐘の鳴る
苔の上に銀杏黄葉の降り積もる
鯨食ぶ学校給食懐かしく
潤一
表札はかまぼこ板や年の暮
鴨の陣一羽のかもめ混りたる
冬の湾聖歌のひびく水脈の白
延子
何もなく何もなせずや十二月
ジョニーズギター今夜も聴きて冬銀河
石蕗の花ワイン飲む夜の多くなり
元子

 

 

 

 

◇9月句会

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図らずも無月となりし今宵かな
秋彼岸嫁ぎし孫の里帰
咲きて散るいのち儚き大花火
英樹

 

台風の去りて静かな舫ひ船
名月は雲の彼方に独り酒
再会の友と語らふ良夜かな
一雄

 

ベランダの割れ甕に燃ゆ曼珠沙華
野分晴れ点眼一滴広き空
月を待つテラスに鳶の睨み来る
さと

 

ふきそふる上風もなし萩明り
若冲の生家を探し京溽暑
来年を待ちて終ひの大花火
潤一

 

秋出水湾は静かにかがやけり
種なしの葡萄を食べる子沢山
ボンボヤージュ秋の旅をひとりゆく
延子

 

有の実やいつもの潟を眺めつつ
さんま焼く露地の奥まで漂ひて
名月や一人楽しむ我がをり
元子

 

朝顔や垣根に巻きつき花咲す
夏休み明けて道行く子らの声
雲もなく静かに光る三日月よ
彰子

 

 

◇8月句会

g901-コスモス

 

 

 

_

梅雨明けや心安らぐ退院日
窓外にどろり居座る猛暑かな
台風の前に群がる舟溜
英樹

_
木を組みて趣味の作品遠花火
炎天下行かねばならぬ診察日
拾ひたる命永らへ終戦日
一雄

_

葉隠れの小さき朝顔濃紫
捩花や時計にねじのなき時代
目覚めても五輪寝不足合歓の花

_

花街の風に途切れし祭笛
山百合の名所と言へど閑散と
蟬時雨象は尻尾を振り続け
潤一

_

竿燈や座敷わらしも太鼓うつ
山車のうえ武者人形はあかあかと
濃紺の空に華さくねぷたの夕
延子

_
夕焼けのやさしき色や夫想ふ
眠むれぬや娘一人で富士詣
夏の床犬の鼻づら踏まぬよう
元子

_
この猛暑道行く人も汗ひかる
隅田川夜空をいろどる花火かな
リオ五輪人間模様に涙する
彰子

 

◇7月句会

g901-ひまわり

 


柝(き)の合図ゆらりと上がる大神輿
娘の忌墓に動かぬ天道虫
夏の潟カヌー数隻競ひをり
英樹

_
仕込せし梅酒ためして妻の酔ひ
大の字になりて幸せ夏座敷
夕立や濡れるがまゝに帰宅せり
一雄

_
酷暑かな茶棚の皿も熱ており
下総の夏山蒼翠バス一路
ひたひたと鱏の親子の岸辺かな

_
玉葱を包む新聞テロの文字
甘酒をもて締めらるる神事かな
神輿待つ自治会長と以下多数
潤一

_
玫瑰やピンクに揺れる丘のうえ
底紅のむくげけなげに夏の雨
砲台跡東京湾に花うつぎ
延子

_
青梅や水をはじきてビン詰める
百合の花背すぢ伸ばして誇らしげ
桜桃を娘求めて口含む
元子

_
七夕に願ひをこめて星仰ぐ
夏祭り太鼓の音に若がへる
梅雨の朝遠くの山に雲かすむ
彰子

◇6月句会

なす-g723

 

なす


零戦に乘りし友逝きぬ五月闇
父の日や頼りの息子沙汰もなし
夏なれや赤潮の帶悍しし
英樹 

さみだれや電車の基地に人集ふ
衣更へ変り映えせぬ我身かな
紫陽花や色の移ろひ人の世も
一雄

八景の歴史巡りや夏帽子
山路行く車内を染める若葉かな
格天井読経響くや若葉風
さと

蠅除や和服の似合ふ母なりし
ビール干す万年幹事嬉しくて
父の日や仕事一途の日の鞄
潤一

夏帽子壁に掛かりて波の音
夏の朝路上の声に眼を覚ます
さつき風土手をいろどる赤詰草
延子

梅雨晴間子ども等の声はづみをり
梅雨の朝ゆるやかに行くボート一隻
到来やほのかに甘い枇杷の香
元子

モノレール夏潟走り海岸へ
夏空や真紅の太陽ビルに映ゆ
お買物日傘広げて風に泣く
彰子

 

◇5月句会

ひなげし-g601

 

 


到来の筍飯は今日の幸
屋形船潟に舫ひて夏を待つ
五月富士夕照橋から遠かりき
英樹

見守り日笑顔の児等に初夏の風
潮干狩磯の香りの塩むすび
採血の指の白さや夏に入る
一雄

牡丹苑独り占めして寺の暮
清正に鯰退治を請ひ願ふ
藤房を双手に受けて甘き声
さと

孫の書の運筆を褒めこどもの日
海光や樗の花に待ち合はす
潮騒を聴きつ葉陰にもみぢ咲く
潤一

おもかげの吹き抜ける庭草を引く
ベランダの五月雀に小雨降る
躑躅散りめしべの向きは空の海
延子

野島山鴬啼きて幸願う
この朝や燕飛びかひ風温し
マンションのベランダ泳ぐ鯉幟
元子

隙間から差し込む光夏の朝
花了る若葉を照らす朝日かな
日本晴強風に舞ふ幟かな
彰子

 

◇2016/5/19タウンニュース「金沢の秋冬を詠う」の欄に

中野さん他の方の表彰コラムが掲載されていました:(新聞記事をクリックすると拡大されます)

金沢の秋冬-g519-タウンユース-w1200


横浜市金沢区長賞 地位:「施餓鬼寺 門も戸口も 開け放し」(中野潤一)

おめでとうございます。

 

花菖蒲-g501

 

 

 

 


◇4月句会

花冷えや男一人の散歩道
一年生母の手振り切り横断路
花の渦筏となりて治まりぬ
英樹

_
故郷は桜前線まだ遠し
なごやかに人すれ違ふ牡丹寺
鴬や一声のみの三渓園
一雄

_
潮騒を聞きて解かれし牡丹かな
水甕に日差し半分春の色
開発の重機つらぬく春の雷
さと

_
今生に妻ある幸やさくらどき
いかなごの釘煮に隠し味いくつ
おろがみし秘仏の小さき彼岸かな
潤一

_
桜散り戦の記憶地に残す
春昼や週刊誌読む紫衣の僧
花筏たどりつきたる小舟かな
延子

_
花吹雪夫もごらんか我ここに
子が託す老母と食す桜餅
公園の春泥に犬足汚し
元子

_
春の夕釣竿立てて戻り船
花ひらく町行く人もたのしさう
桜咲く着慣れぬスーツ初出勤
彰子

 

つくしスギナ


◇3月句会

縁石の隙間押しのけ土筆萌ゆ
春雨に相応しからぬ豪雨かな
春雨や行き交ふ船に音もなし
英樹
散策の路一本の花ざかり
通院の傘をなゝめに春疾風
春しぐれ下校の児等の傘の色
一雄
靴脱ぎて片足そっと青き踏む
捨てられし畝の菜の花頭上げ
陽炎いて対岸半島青く揺れ
さと
鳶の笛ひときは高く梅ひらく
圧巻の針仕事なり吊し雛
終点の駅は軍港木々芽ぐむ
潤一
菜の花に元気をもらひ朝の風
雀の子小首かしげて啄めり
蹲踞に椿の落ちてオフェーリア
延子
穏やかに春の夕暮訪れぬ
枯芝生に小さきクローバ輝く青
時間軸混在するや母の春
元子

 

南天

 

 

 


◇2月句会

白鴎句会
平成二十八年二月例会報

編隊のヘリコプターに春立ちぬ
一碧の空鳶の聲冴返(さえかえる)
妻の忌や料峭*(りょうしょう)の墓に触れてみる
*:肌着を通る春の冷たい風邪
_            英樹

_
江の電の過ぎゆく木々も春を待つ
おにぎりの味噌香ばしく春近し
立春や富士を右手の散歩道
_            仁(さと)

_
春野菜乘せて媼の乳母車
先駆けの紅梅一輪誇らしく
換気口輪唱めきて虎落笛
_            仁(さと)

_
空中を飛ぶ福豆と太鼓の音
頼りなき寒の日差に物を干す
護摩を焚く音の厳か初不動
_            潤一

_
枯草に日の当りたる運河沿ひ
袖からはダウンの羽毛や春浅し
夕鴉くれなゐに消え雪解風
_            延子

_
曇天や立春すぎのえり立てて
小春日や散歩替りの通院す
初夢の覚えやらずや見たのやも
_            元子

_

南天

 


◇1月句会

初詣嫁ぐ孫の手温(ぬく)かりき
亡き人のことあれこれと除夜の鐘
快晴の元日祖霊の墓詣
_            英樹

_
吉と出て心安まる初みくじ
箱根路や登る襷に気を貰ふ
毛筆の賀状今年も北の友
_            一雄

_
側溝の草にも初日やはらかに
小春日に囚はれ溶ける窓辺かな
大漁の宝船より男声
_            仁(さと)

_
頂点で瞬時のゆとり海豚(いるか)跳ぶ
列の尾の風に千切るる初詣
七日かな煮豆に味の深く染む
_            潤一

_
襟巻に八十路をそっと包みけり
黄楊(つげ)櫛にかかる白髪冬日和
雪の降る万年床は書斎なり
_            延子

_
母の背(せな)小さくなりて年の暮
八幡宮破魔矢求めて三日過ぐ
冬の暮母の手を引く薄明かり
_            元子

_

 

 

紅梅

 


◇12月句会
歳の市売子の声は前うしろ
火の用心今年三度(みたび)の酉の市
無惨なり師走嵐の植木鉢
_              英樹

燗酒や八十路の吾れの一人言
葉も枝も落ちて寒かろさるすべり
年ごとに過ぎ行く早さ年の暮
_               一雄

酒粕を飲むも漬けるもほろ酔ひて
アスファルト靴色滲む初時雨
渋柿のどさっと届き酒買ひに
_              さと

断捨離の出来ぬ人柄木の葉髪
冬日燦金沢文庫の格子窓
余生とておほむね愉し冬帽子
_              潤一

こんな夜は家族二人のあんかう鍋
我一人周りは全て冬の朝
称名寺の鐘の音届く冬初め
_              元子

 

◇11月区会
絵はがきの土産は秋の小江戸から
大輪のハイビスカスよ天高
黄落の道杖を頼りに影を追ふ
「英樹」()
対岸の雑木林に秋の色
釣船やテールランプに冬の雨
買物の出足は軽き小春かな
「一雄」
冬近し煮物の塩の匙加減
稲田なくパン啄ばめり町雀
音もせず湖は透明に冬めける
「仁(さと)」
子規の句碑色なき風の中に旧る
色変へぬ松を背にして伊能像
文化の日茶席の詰めを頼まるる
「潤一」
鳥の影濃くなりにけり秋日和
松毬(まつかさ)を拾へば秋の黄蝶来る
秋の日は淋しかりけりひとりなり
「延子」
紅玉をパイに焼きけり鼻歌よ
久方に母と語らふ夜長かな
団栗をこっそり咥へ犬笑ふ
「元子」

 

・・掲載 少し間があきました・・

 

◇8月句会

君は今いずこの空ぞ終戦日
炎帝の怒りに耐へしわが身かな
永らへしいのち貴し終戦日
「英樹」

_
枝豆をさかなに友の国訛
緑陰に児の写生して野島園
耳遠くなりたる我や遠花火
「一雄」

_
雲湧きて羊遊ぶや月白し
蛸膾酢は強めとし夕座敷
母の留守小皿に塩と衣被(きぬかつぎ)
「さと」

_
みんみんの国の中なる円覚寺
新涼や三種郵便届く音
子ども神輿に従ふ母は水を手に
「潤一」

_

花茣蓙をベッドに敷きてひとりなる
ぎぼうしの風に返礼旗あげて
野分立つ雲に逆ひ鳥のゆく
「延子」

_

肌脱ぎのらくなりを知る五十路かな
夏の朝月まだありて生き心地
夏風邪や六十路のまえのかく乱か
「元子」

芙蓉-f831

 

 

 

_

 

◇7月区会

長梅雨や汽水の潟に鯉二匹
大嵐去りて残れる暑さかな
黒土の香りゆたかに梅雨晴間

「英樹」

_
駆けて来る見守り児等に夏の雨

若者の鉢巻き白し昆布採り

夏雲や八景島に人の群れ

「一雄」

_
黒揚羽内緒ばなしを掠(かす)め行く

辣韭(らっきょう)漬け指火照(ほて)る夜や風の音

ロボットに掃除託してかき氷

「さと」

_
梵天の胸元ゆたか風涼し

傘の受けし山桃五粒土産とす

ペリカンの首よく回り梅雨晴間

「潤一」

_
カラフルなカルテの棚の涼しかり

台風の近づき頸(くび)のほてりかな

白木槿ハートの部分ほの紅き

「延子」

_

夏草や義父母の笑顔ここにあり

わが町や汽笛聞こえて夏立ちぬ

祭囃子みなで初物西瓜食ぶ

「元子」

あさがお

 

 

 

 

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◇5月例会

米寿とはかくのごときか風薫
乳母車ネットを降し夏立ちぬ
船頭の出船の指図五月晴
「英樹」

早ばやと沖かすめたる夏颱風
箱根路や車の窓に初夏の風
我が庭に揚羽止まりてそよぐ風
「一雄」

春の地震(なゐ)棚で泣いてる江戸切子
風光る吹く子追ふ子やしゃぼん玉
母の日の花抱き走る宅配夫
「さと」

卯波走るあなたにジェットコースター
船名は神社(氷川丸)の名より風薫
新緑や郵船ビルのエンタシス
「潤一」

春眠や全て忘れて異空間
夕暮に若人集い芝青む
朝のベンチままごと名残ごりなづな花
「元子」

 

 

 

鯉のぼり


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◇4月例会

散策の背中を押すや花吹雪
花筏割りて釣船通りけり
花筏潟面に纏め風走る
「英樹」

_
引潮の流れのまゝに花筏
通院日傘に優しき春の雨
対岸の桜緑に替りけり
「一雄」

_
野島山花の雪洞(ぼんぼり)人酔ふて
花の下ジョギングゆるく二往復
花筏鯉の戯(たわむ)れくずれゆく
「さと」

_
菜の花の色あはあはと暮れ残る
仁王をる桜吹雪の突当り
反橋(そりはし)に続く平橋散る桜
「潤一」

_
飛花落花風にのの字を描きけり
月蝕や花明りして稚児の舞ふ
花ふぶき林の上に還りけり
「延子」

_
春光や新ランドセルの孫迎へ
春の夜ややさしく白き街あかり
貝寄風(かいよせ)の名残とみえる朝の浜
「元子」

 


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◇3月例会 (今月より 横書きにしました)

彼岸入小雨の墓を清めけり
片付けし物を探すや戻寒
咲き初めの桜算へし散歩かな
「英樹」

_
北帰(ほっき)行(こう)取り残されし鴨一羽
陽の当る路を選びて犬と吾
若き日の恋の思い出春の風
「一雄」

_
春草やビルの礎石を押し合ひて
歴史碑は三叉路にあり松みどり
花は二分人に乞ふ鳩クックッ鳴く
「さと」

 

梅あかり切妻屋根の高さまで
腕白の丸くなりたる喜寿の春
大涌谷の噴気のあなた雪残る
「潤一」

 

鞦韆に淡きもの降る海辺かな
春光や夫の本棚在りしまま
突風に春の蓋とぶ寺小路
「延子」

 

ふんわりと包まれ歩く春の夜は
鼻上げて突き出し嗅ぐや犬の春
暗闇のガラス越しなる春嵐
「元子」

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◇1月例会

 

1月俳句-f203

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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◇2015/5 白鴎会 区会のまとめ 第31号が 発行されました。

クリックすると PDFでご覧になれます。  

Title-句集-表紙

 

 

 

 

 

 

 

 

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◇金沢を感じて詠う

平成27年(2015)5月6日号のタウンニュースに 上記の題名でのコラムがあり

文化協会理事長賞天位・受賞にハイムの方のが掲載されていましたので紹介します:

「福詣二神残してしまひけり」 中野潤一(平潟町)

俳句-f507


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